藤野電力との初コラボレーション

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藤野電力との初コラボレーション。

神戸市の澤井様邸屋根にオフグリッドソーラーパネルの取り付けとそれに伴う屋根葺き替え工事が無事に完工しました。

神戸市垂水区の里山の麓で、素敵な半農半自給生活を送ってる澤井家様に藤野電力が依頼されて始まった今回の合同企画。

築50年越えの古民家は、先の神戸大震災の影響もあり、少しの傾きが谷側へ出ている物件でした。

 

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ご主人のガッツ君が合間を見ては少しづつ改装してきた邸内は、とても大工経験のない素人が仕上げたとは夢にも思えない統一感のある、木や土の温もりが随所に光る素晴らしい居住空間に仕上がっていました。まだまだこれからも改装は続くとのことで、その改装の一端を担えたことは光栄でした。

奥様のまりさんが滞在中の食事の世話をしてくださいましたが、これが本当に毎回感動させてもらえる美味しさで、すっかり体調が整い、身体も軽く、重労働をものともしない状態になれたのは驚きでした。

というのも、この物件は里山の麓、逆をかえせば集落の最奥部
にあり、車道から物件までは幅1mほどのゆるい坂道を2~300m上がったところにあります。家の周りは坂に囲まれ、どこへ行くにも階段を上るというアスレチクな環境でした。img_5826_2x資材も道具もすべて両手に抱えられる分しか一度に運べず、何度も坂道を往復して段取りを整えなければならず、

その過酷さは屋根の仕事を始めて今まででダントツのNO.1でした。(笑)

加えて屋根を施工した50年前は、瓦の下に葺き土を多めに盛って施工するのがスタイルだったようで、瓦を屋根から降ろす作業時にはガラ袋約250体、上屋根、下屋根合わせて3㎥越えの土が待っていました。

ご主人と藤野電力の哲ちゃんが進んで手伝ってくれたおかげでなんとか屋根から降ろすことができてホッとしたのも束の間、夜間に雨が降るという予報が出ていて、急遽夜の街をブルーシートを求めて走り、暗闇の中、哲ちゃんに梯子から投光器で照らしてもらいながらカバー。施工した垂木上にハンマータッカーで留めました。

10986179_865266713520096_3460888487953747913_o_2x雨は夜半から降り始め、翌日も終日降り続けました。海から歩いてこれる谷あいの立地は、潮風の影響を受
けやすく、海から時折吹く強い風に、ブルーシートが飛ばされないかと何度も確認しました。垂木上にタッカー留めが功を奏し、翌日、快晴の中屋根に上がってみるとシートの剥がれ、破れはどこにも見当たらず、しっかりと雨を防いでくれていました。ホッとしました。

そこからは毎日快晴が続きました。瓦を剥いでいく作業中に、珍しい一匹丸ごとの姿で残されていた蛇の抜け殻を拝むことができたり、婚姻期の蜂のような虫に周りを囲まれ、顔や腕にその虫をつけたまま作業するしかなかったり、澤井家の飼い猫さんには極力ご迷惑にならないように振舞ったり(笑)

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毎晩の酒宴が深酒を呼んで反省したり、毎日なにかしらのドラマが起きました。

自作のパネル取り付け土台金具も試行錯誤を重ねました。

屋根屋修行時代に複数社の太陽光パネルの取り付け経験があったおかげで要領は得ていたので、資材屋でピッタリのものを購入でき、無事にパネルが屋根に取り付けられた時は、こみ上げるものがありました。

家の電気を関電からのものと、パネルからのものに切り替えがきくように設計されていて、使用状況に応じて使い分ける仕様には使い手への配慮がなされており、流石の仕事をするなと感心しきりでした。

工事期間中は沢山の来客がありました。みなさん興味深々といった様子で哲ちゃんから説明を受けていました。自分たちが使う電気は自分たちでという意識の高さに驚かされ、このスタイルは沢山の人達に受け入れられていくのではないかと予感しました。

工事が終わっていざ、帰るというときに見送りについてきて11154709_865267086853392_4527431982057445554_o_2xくれた猫さま。そんなことは誰にもしなかったよと驚くまりさん。がっつりと固い握手で、また来ておくれとガッツ君の眩しい笑顔。記念撮影中はこみ上げるものを抑えるのに必死でした(笑)

今回の工事は、自分にとって、仕事のありかたを考えさせてくれる非常に示唆に富んだ内容になりました。自分が持つ能力が誰かの幸せになる。こうして顔が見える、名前も知ってる距離での仕事が本当に自分のポテンシャルを引き出すことに新鮮な感動を覚えました。

ありがとうございました!

 

※藤野電力とは

2011年3月11日の震災、そして福島の事故を機に、今まで当たり前として世の中にあった様々な常識がほころびつつあります。
安全安心に毎日を暮らしていくには、エネルギーも今までの中央集権型から、住民が自ら参加出来るような自立分散型へ移行していきたい。
そしてエネルギー消費自体を少なくしつつも、我慢ではなく、より新しく、より楽しく生きていけるような、暮らし方へと移行していきたい。
藤野電力とは、自然や里山の資源を見直し、自立分散型の自然エネルギーを地域で取り組む活動です。
そして目指すものは、エネルギーシステムの移行自体より、むしろそれによってもたらされる、地域の豊かな未来なのです。

■藤野電力の主な活動

1. お祭りやイベントへの再生可能エネルギーによる電源供給
2. 再生可能エネルギー発電システム組立てワークショップの開催
3. 藤野地域の施主さん宅へ再生可能エネルギー発電設備の施工
4.市民発電所の建設
5.効果的なエネルギーの使い方の研究と共有

URL:http://fujinodenryoku.jimdo.com/

 

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